外ではセミがうるさく鳴いていて、強い日差しが降り注ぐ。
私は日焼け止めを全身に塗り、朝からメイクに夢中だった。
一重まぶたにアイプチを使って二重にして、つけまつげをつける。
わあ…いつもと全然違っていい感じ。
髪はコテを使って巻き、制服のスカートも今風に折ってみる。
これでよし‼︎
私は通学カバンを持って玄関に行くと、母と遭遇した。
「沙羅⁉︎なんですか、その格好は‼︎それに化粧なんかして!」
母は私の見慣れない姿に凝視した。
「いいの!うちの学校メイクオッケーだし。行ってきます」
「ちょっと沙羅‼︎」
母の声を無視して玄関の扉を閉めた。



