「沙羅、どうしたの?ぼーっとして」


親友の真奈美が顔を覗き込んできて、慌てて亜矢から視線を外した。


「うっううん!何でもない」


「また亜矢のこと見てたの?」


ぎく‼︎なんでわかるんだ⁉︎


「沙羅って暇さえあればいつも亜矢のこと見てるよね〜。そんなに気になるの?」


「まあちょっと羨ましいっていうか。美人だし、友達多いし」


「まあね、読者モデルやってるくらいだしね。
なんか今業界でも一目置かれてるらしいよ!これからどんどん注目されてくって」



真奈美が腕組みしながら言った。



凄いな。やっぱり可愛くてスタイルよくなきゃ人気者にはなれないのかな。



すると真奈美が、


「沙羅だってもう少し気を使えば絶対可愛くなれんのに」


と言った。



「えっ私⁉︎そんなわけないでしょ」


真奈美の言葉を疑い、私は全否定した。



今までお世辞でも可愛いと言われたことない私が可愛くなれるわけがない。



「そうかな?絶対可愛いと思うんだけどなぁ。まあそれは沙羅次第になるけどね」


だって私地味だし暗いし、顔だって素朴だし、派手めな女子からバカにされてきた。



どう頑張っても亜矢と並べられる子にはなれないよ。