『私もテレビで見て最近知ったんだけど!刹奈が歌う曲ってすっごい素敵なんだよ!!曲が心に染みるっていうか』

「そ、そうなんだ」

そんなに人気な人なんだ。

「どんな顔してんの?」

沙弥佳は、私と晶に画像を見せてくれる。

顔立ちはクールで、髪は腰くらいまであり、体は細くして手足がスラッとしていた。

「か、かっこいい」

「そうでしょ?一回曲聞くのをお勧めするよ」

「聞いてみるよ」

私は、もう一度刹奈の画像を見る。

私はその時、刹奈に何か惹かれるものを感じた。

『この子…』

ルルは、隣でじっと刹奈の画像を見ていた。

「どうかしたの?」

『な、何でもない』

「?」

私は、シンクの方に目を向ける。

シンクは、沙弥佳と一緒にセツナライブを見ている。

(まだ、見つからないんだよね…)

あれから三ヶ月経つけど、未だにシンクの心の持ち主の情報は入ってこない。

それどころか、姿すら見かけない。

シンクが見えるなら、直ぐに見つかるかと思っていたけど…。

(もしかして、この近くには居ないってことかな?)

ならシンクは、もっと遠くから来た?

「望美?」

「な、なに?」

「授業始まるよ」

「あ、そっか!」

急いでお弁当を包んで晶達の後を追った。