『奈津の母さんらしいな』

『でも!これで奈津と望美の結婚は確定!』

『良かったね!』

『ま、まぁな』

ルルは、ハヤテと一緒に居られることが嬉しそうだった。

もちろん、私も奈津と一緒に居られるのは嬉しい。

「じ、じゃあ俺そろそろ帰ります」

「あら、もう帰っちゃうの?」

「はい、もう時間も遅いし」

私達は、奈津を玄関まで見送る。

「今日は、ごちそうさまでした。さっきの録音、絶対母さんには流さないでください」

「検討しとくわね」

この様子だと絶対流す。

『またねハヤテ!』

『あぁ、またなルル・シンク』

『はーい!』

「またな、望美」

「うん」

奈津とハヤテが帰った後、私はベッドに横になって考えていた。

『何考えてるの?』

さっきお風呂から上がったルルが、扇風機に当たりながら聞いてくる。

「ちょっと、未来のことを考えてた」

『未来のこと?』

私は、起き上がり枕を抱きしめる。

「確かに奈津と一緒に居る未来は、私にとって夢でもあった。でも、私は奈津と違って本当のまだ夢がない」

奈津は、世界でサッカーをするために日頃の練習を誰よりも頑張っている。

でも私は、まだ自分が将来何をやりたいのかという目標がない。

そんな不釣り合いの私が、先の未来で何をしているのかと考えると、不安になって仕方がない。