「おい、いい加減にしろ。俺は、お前と付き合う気はないんだよ!」

「でも、私は諦めないから!」

「お前なぁ!」

奈津からしたら、有水みたいなタイプは初めてだから、対応に困るんだろう。

「あの、有水さん。そろそろ奈津から離れてくれない?」

「はぁ、何でよ?貴方に指図される覚えないわよ」

「だって、奈津は私の彼氏だから」

私は、奈津の手を握る。

「望美…」

奈津の頬が赤くなる。

そんな私達をみた有水は、肩を震わして言う。

「別に今日じゃなくてもいいわ!機会は、いつでもあるんだから!」

有水は、走って駅の方へと向かった。

『ま、待ってよ有水!』

その後ろを、フレイアが追う。

「たく…。じゃぁ俺もここで別れる」

「お疲れ新」

「しっかり家まで送ってやれよ、未来の奥さんを」

「お、お前?!その情報誰から貰った!」

「沙弥佳からだよ」

さ、沙弥佳ったら…。

奈津は、納得いかないのかぶつぶつと何かを言っていた。

『俺達も帰ろうぜ』

『私お腹空いたぁ』

『今日の夕食はなに?』

シンクは、ワクワクしてわたしに聞いてくる。

「それは、帰ってからのお楽しみ」

『そっかぁ…』

ガックリするシンクを見て、私と奈津は一緒に笑った。