【望美】

試合は、2対1で桔梗学園の勝ちとなった。

奈津が一本シュートを決めて、その後キャプテンが一本決めた。

そして、今は帰り道。

「ねぇ奈津くん!これからご飯食べに行かない?」

「……」

もちろん、奈津の後ろを有水は付いてくる。

「無視しなくてもいいじゃない?」

「……」

有水がなんと言おうと、奈津は無視し続けた。

「あれはあれで凄いな、俺が何もしなくても、有水何も出来ないし」

「奈津は、中学の頃から、女の子に対してあんな感じなんだ」

私と新は、並んで歩きながら話す。

晶達は、先に帰るとかで行ってしまった。

佳絵羅は恭也先輩の元へ、史絵は翔くん、咲楽は玲緒くんの所へとそれぞれ向かった。

「中学からねぇ、それじゃぁ望美は、他の女子から目の敵にされること多かったんじゃないか?」

「最初はそうだったかな。でも、晶や沙弥佳達のお陰で、何とかいじめられず済んだんだ」

私と奈津が付き合い始めた事が校内で噂になった時、晶達が助けてくれたんだよね。

もちろん、奈津も。

「モテル彼氏を持つと大変だな」

「それでも、大好きだから隣に居たいんだ」

「純粋だな。望美と奈津の恋は、それに比べ有水は…」

有水は、私達の目の前で奈津に抱きつこうとするけど、奈津はそれを簡単に避ける。