妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【ルル】

『――!』

私は、後ろを振り返る。

「ルル?」

私の様子に気づいた望美が私を見てくる。

『な、何でもないよ』

望美にそう言い、前を向く。

(今、シンクの力を感じた)

シンクに何かあったのかな?

誰かに襲われたとか…。

そう考えた時、蝶の鱗粉が私の隣で弾けた。

『シンク?!』

すると、いつの間にかシンクが隣にいた。

でも、その様子はおかしく、息が荒かった。

『どうしたの?!』

『な、何でもないよ!ちょっと猫に追いかけられて』

『猫に?!』

猫に追いかけられて、ここまで息があがるのかな?

『心配してくれてありがとう、ルルは優しいね』

『そ、そんなことないよ』

だって心配になるよ。

『でも本当に大丈夫だから』

シンクは、前に出て試合を見る。

『奈津達勝ってるね』

『そ、そうだね』

シンクの腕には、何かで強く巻き付けられたあとがある。

(もしかして、シンクを誰かが狙ってる?)

もしかして、シンクがいた扉の中の世界と関係してるのかな?

知らない内にシンクが抜け出してて、またシンクを攫いに来たのかもしれない。

それなら、シンクを守らないと!

『ルル』

シンクに名前を呼ばれ目を向けたとき、私の体に鳥肌が立つ。

『余計な事は、しなくて大丈夫だよ』

この時シンクは優しい表情をしていた。

だけど、私に威嚇するようにシンクの力の気配は強かった。

『わ、分かった』

私は、納得するしか出来なかった。