妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「でも、高校生になったからと言って、勉強を怠ってはいけませんよ」

「分かってる!翔に教えてもらうから大丈夫!」

「じゃぁ、家庭教師にアカツキ付けようか?」

「それは辞めとく…」

毎日アカツキの授業を受けている晶は、学校の先生になるのが夢らしい。

他にもみんな夢を持っている。

沙弥佳は、ウェブデザイナー 。

佳絵羅お姉ちゃんは、ファションデザイナー。

史絵は、幼稚園の先生。

咲楽は、小説家。

そして、私は……。

(私は、何をやりたいのかな?)

たまに自分の未来を想像してみることがある。

自分は、何処で何の仕事をしているのか、その隣には誰がいるのか。

そこで、ちょっとだけ私の頬が熱くなる。

私が想像する未来は、隣には奈津がいて、そこには子供もいる。

そんな幸せな未来。

(てか、そこまで私と奈津が一緒に居られるか分からないけど…)

出来るならば、これから先ずっと隣にいたい。

奈津の夢は、世界でサッカーをすること。

奈津なら夢を叶えられると思っている。

そんな奈津に、私は釣り合う夢があるのかな?

「望美?」

「何でもない」

私たちは、学園へと向かった。