妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【シンク】

『んっ?』

何か気配を感じた。

ほんの一瞬だったから、それがある何処からなのかは分からない。

『私と同じ力の気配…』

もしかして、私の持ち主かな?

でも、気配を感じても記憶は戻らない。

『はぁ…何で記憶がないんだろ?』

記憶を戻すため、あちこち行ってみた。

見覚えのあるところは数カ所あったけど、何も思い出せない。

『見つけたぞ』

『えっ…』

後ろの方で声がして、振り返る。

『貴方誰?』

見覚えはあったけど、確か……。

私は、そこで扉のことを思い出す。

『あーっ!貴方私を閉じ込めた人ね!』

『良く思い出したな。俺は、お前を捕まえに来たんだ』

オルドは、私に手を差し出す。

『戻ってこい。お前が外に出るのは早すぎる』

『早すぎるってどういうこと?私は一体何なの?』

彼にそんな事を聞いてみる。

『お前は、この世界にとって異物の存在だ』

『異物の存在…?』

異物の存在って、どういうこと?

じゃぁ、私は存在しちゃ駄目ってこと?

『だから、俺はお前をあの世界に閉じ込めた。何故あの扉が開いたかは分からないが』

オルドの目がカッと見開いた時、私の体は鎖で繋がれる。

『いたっ!』

『さぁ来い、シンク』

『嫌だ!』

私は、体に力を込めて、繋がる鎖を壊す。

『その力…、やっぱりお前は異物の存在だ。この世界では―――』

私は、体を蝶へと変えて、その場から逃げる。

『チッ…。あれでは、俺でも追えないか…』

オルドは、追うのを諦めて、再び姿を消した。