妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「あ、前半終わったよ」

奈津達は、一度ベンチへと戻り水分補給をしている。

そこに有水がいて、奈津にベッタリ張り付いて離れないでいる。

「うわぁ、奈津のあの表情」

「もの凄く鬱陶しく感じてるね」

「あ、ははは…」

奈津の気持ちを知って、結婚を前提に付き合い始めたけど、やっぱり有水の事は怖い。

「小早川さん、こちら見てますよ」

「えっ!」

佳絵羅に言われ奈津の方を見ると、奈津と目があった。

「手でも振ってみたら?」

沙弥佳に言われ、私は軽く手を振る。

奈津も振り返してくれた時、何故か周りの先輩達からどつかれていた。

「羨ましいんだろうなぁ」

「そうですね」

「なんで?」

「だって、そりぁ…」

「?」

何が羨ましいんだろう?

特別なことなんてしていないけど。

「ほら、後半戦始まるよ」

「あ、うん」

私の肩にルルが座る。

『今日ハヤテもあっち行ってるから、私も頑張って応援するぞ!』

「そうだね」

チラッと後ろを振り返った時、私はある男の子に目がいった。

(あれ?)

顔立ちは大人っぽくて、髪は黒っぽいけど青色で、眼鏡を掛けてて、左目の下には泣きボクロ。

そして、奈津達のサッカーの試合をじっと見ていた。

(誰だろ?)

「ほらっ!望美」

「ご、ごめん」

すこし気になったけどいいか。

私は、奈津の応援に集中した。