妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

(いやいやいや、まだ気が早いって!)

私は、チラッと奈津を見る。

奈津も何かを考えているのか、パンケーキを凝視していた。

その後は、特に会話はなく、私たちは観覧車に乗ることになった。

「…」

「…」

さっきのルルの言葉で、私はへんに意識してしまっていた。

(結婚……)

私は今日で十六歳になったから、結婚はできる。

でも、奈津は十八歳にならないと結婚出来ない。

でも、その前に私たちが結婚できるかも分からない。

(もぅ、何考えてんの私は)

私は、自分の中で頭を抱える。

「の、望美……」

「な、なに?」

奈津は、鞄からある物を取り出した。

「これ、誕生日プレゼント」

「あ、ありがとう!」

渡されたのは、箱だった。

「開けてみてもいい?」

「あぁ」

包み紙を取って、私は箱の蓋を開けてみる。

「か、可愛い!」

中に入っていたのは、ネックレスで真ん中には『N』が吊るされている。

「ネックレスでも安物だけど、俺とお揃いのやつ」

奈津は、そう言い首から下げているネックレスを私に見せてくれた。