妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

『うーん!美味しい!!』

ルルは、嬉しそうに空中を舞う。

『ほんと、甘いもの好きだよな』

『ハヤテは嫌いだっけ?』

『嫌いじゃないけど、あまり好きじゃない』

ルルもハヤテも楽しそうで良かった。

「望美」

「なに?…ん」

突然、奈津がパンケーキを私の口の中に運んだ。

「上手いだろ?」

「う、うん…」

び、びっくりした……。

私もお返しで、自分のパンケーキをフォークで取って奈津に向ける。

「ほら、奈津も」

「お、俺はいいよ!」

「だって、私だけ貰うわけにも行かないよ。ほら」

「……」

奈津は、ためらったあと、口を開いてパンケーキを食べる。

「美味しい?」

「ま、まぁ…、美味いな」

奈津は、顔を真っ赤にさせてそっぽを向く。

『凄い!まるでファーストバイトみたい』

「「え?!」」

ルルの言葉に私たちは、お互いの顔を見る。

『いや、ちょっと違うだろ。ファーストバイトは、結婚式にやるものだろ?』

「け、結婚式……」

私の中で結婚式の風景が浮かぶ。