妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

ふと佳絵羅お姉ちゃんのところを見ると、周りの桔梗学園の生徒らしき人たちが、じっと佳絵羅お姉ちゃんを見ていた。

でも、佳絵羅お姉ちゃんは、そんなこと気にせず史絵たちと話していた。

「うわぁ、これは登校初日からモテモテだぞ」

「そうだね!さすが佳絵羅、メモメモっと」

「何をメモっとるんだ…」

男子に全く興味を持っていない佳絵羅お姉ちゃんに見えるけど、一つだけ晶たちが知らないことがある。

私と奈津だけが知っていること。

実は、佳絵羅お姉ちゃんは、奈津たちのサッカーの先輩だった泉恭也(いずみきょうや)先輩と付き合っている。

もちろん、恭也先輩も桔梗学園に通っていてサッカー部だ。

何故ほかの人に言わないかって言うと、本人曰く恥ずかしいらしい。

私は別に、恥ずかしくないと思うんだけどね。

私は、チラッと奈津たちの方を見る。

奈津たち三人は、電車を乗る前から何かを話している。

(何の話しているのかな?)

何だか奈津が少し怒ったり、慌てたりしている。

これはこれで、見てるだけで面白いかも。

そんなことを考えていると、私たちが降りる駅に電車は止まった。

「よーし!降りるぞ!」

「もう史絵は、随分と行く気満々ですね」

「だって、高校生だよ!」

私よりも、受験勉強を頑張ったのは史絵だった。

翔くんと同じ学校に行きたいってことで、もう勉強をして、ギリギリで受かった。