妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

その後は、コーヒーカップ、バルーンフライト、空中ブランコに乗った。

そして、今は一番怖いとされるお化け屋敷に来ている。

『なんか、面白そうだね!』

ルルは、あちこちを見ている。

ハヤテは、そんなルルに呆れる。

『お前に怖い物はないのかよ……』

何かを期待していたのか、がっくりしていた。

その逆に私はというと。

「こ、怖い……!!」

私は、怖いものは苦手だった。

怖い話すら駄目なのに、お化け屋敷とかは本当に無理だった。

「だから辞めるかと聞いたのに」

「だって……」

だって奈津、入りたがってたし……。

ここまで私の乗りたいものに付き合わせたし、奈津の乗りたいものや、入りたいものとかあるのに。

「ばぁ!」

「きゃぁ!」

当然隣から幽霊が出てきて、私は奈津に飛びつく。

「の、望美落ち着け!」

「こ、怖い!!」

やっぱり、お化け屋敷に入るんじゃなかった。

足すくんで動けそうにないし、奈津に迷惑かけちゃった……。

「望美、大丈夫だよ」

奈津は、私の頭を優しく撫でてくれる。

「奈津……?」

「怖くないよ、怖くない」

「怖くない」という言葉を、奈津は呪文のように言い続ける。