妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「もぅ、ルルったら」

私と奈津は、顔を見合わせて笑った。

でも、メリーゴーランドを乗るのはいいけど、馬車があったり、椅子があったり、どれに乗ろうかな?

「望美」

「なに?」

奈津は、近くにあった馬にまたがると、私に手を差し出す。

「一緒に乗ろうぜ」

「え、いいの?」

私は、奈津の手をつかむ。

「あぁ、俺は望美と乗りたい」

私は、そのまま奈津の前に座る。

「な、何かちょっと恥ずかしいよ…」

「だけど、これの方がお互い近くに感じるだろ?」

「う、うん……」

なんか、奈津らしくないこと言うなぁ。

『あいつもあいつで恥ずかしがってるけど、今日は頑張るみたいだな』

『そうなの?』

『あぁ、昨日の夜にな、望美には思ったことをちゃんと言うって、自分に言い聞かせていたよ』

『へー、やるじゃん奈津』

それからメリーゴーランドは動き始める。

奈津は、メリーゴーランドが終わるまで、私の手を握っていてくれた。

(奈津の温もりを感じる)

いつもより近くに居るせいなのか、今までよりはっきりと温もりを感じた。