妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【望美】

(奈津どうしたんだろう?)

遊園地に着くまで、奈津は周りの視線を気にしていた。

(誰か知り合いでも居たのかな?)

『どうしたの望美』

「な、何でもないよ!」

でも、元気がないわけじゃないし。

奈津は「何でもない」って言っていたし。

『ほらほら望美!遊園地着いたよ!』

「う、うん」

ルルは、さっきからハイテンションだった。

きっと初めて来る遊園地に興味津々なのだろう。

「さて、どれから乗る?」

「うーん…」

私は、あちこち見回す。

最初に目に飛び込んできたのは、メリーゴーランドだった。

「最初は、メリーゴーランドかな」

って、ちょっと子供っぽかったかな?

「メリーゴーランドか、懐かしいなぁ。よく母さんと乗ったんだ」

「そ、そうなの?」

ちょっと意外だった。

私は、小さい奈津を思い浮かべで想像してみる。

楽しそうにメリーゴーランドに乗る奈津を想像して、ちょっと可愛いと思ってしまった。

「じゃぁ、あれに乗ろうか」

「うん!」

『わーい!馬だ馬!』

『ちょっと待てよルル!』

ハヤテがルルの後を追いかける。