【奈津】

おい…、今のなんだ?

俺の目の前にいた望美は幻か、それとも別人か……?

いや、望美か……。

望美の姿を見た時、一瞬誰かと思った。

すごく綺麗で、あんな望美初めて見た。

(やばいだろあれ…!)

めっちゃ可愛い…。

俺は、自分自身を落ち着かせるため、ゆっくりと息を吐く。

「俺……理性保てないかも……」

いや、今日は望美の誕生日で、自分の気持ち言って、それでその後……。

俺の顔は真っ赤になる。

「駄目だ!出来る気がしない!!」

俺は、頭を抱える。

『どうしたの?奈津は』

『今後のことで悩んでる』

『キスのこと?』

『そうだな』

「勝手に人の心読むな!」

あーもう、自分の中で色々と考えたいけど、下手したらハヤテたちに筒抜けだ!

「お、お待たせ奈津!」

俺は、もう一度望美の姿を確認する。

やっぱり…、綺麗だ。

思わず見とれてしまう。