私は、部屋で自分の姿を見て恥ずかしくなる。

「望美!凄い似合っていますよ!」

佳絵羅が瞳を輝かせてそう言う。

「本当に望美は、何を着ても似合ういますね」

「は、恥ずかしいよ佳絵羅!」

何故かこんなことになっているかというと……。

それは数時間前に遡る―――

いつもより早く目覚まし時計をセットして、その音で目が覚めた。

ルルは、まだ寝ていて、朝食を取ろうとして下へと降りたら。

「おはようございます。望美」

何故か奈々美さんと一緒に朝早く佳絵羅がリビングに居た。

「か、佳絵羅?!何でここに?」

こんな朝早く何でいるの?

しかも、机には紅茶とケーキが置いてあって、佳絵羅はティータイム中だった。

「それはもちろん、望美のデート服を選ぶためです!」

飲み終わった紅茶のカップを机の上に置く。

「な、なんで服なんか…」

「だって、今日は望美十六歳でしょ。素晴らしい日で、小早川さんに祝ってもらえるのですよ」

私は、とても嫌な予感がした。

それとついでに、昔の記憶が過ぎる。

「そんな素晴らしい日には、素晴らしい服を着ないと!」

佳絵羅は、手を二回叩いた。

すると、黒服をまとった人たちが、佳絵羅の後ろにずらっと並ぶ!

「さぁ、例のものをお願いします」

黒服の人たちは、佳絵羅の言葉を聞いて、大きな箱をいくつも部屋の中に運ぶ。

「さぁ望美!全て私の手作りです。好きな服を選んでください」

「え、ええええ!!」

そして今に至る。