「今日は二人だけだし、手繋いで帰ろ」

「う、うん!」

私は、奈津の手を握り返す。

心臓の鼓動が早くなる。

手を繋ぐときや、一緒に歩いている時、話している時、そんな時私はいつもドキドキする。

奈津も同じなら、凄く嬉しい。

「ねぇ、奈津…」

「ん?」

私は、思い切って聞いてみた。

「今……、ドキドキしてる?」

「えっ!」

奈津の頬が赤くなる。

聞いた後で恥ずかしかったけど、後悔はしてない。

だって、奈津の気持ち知りたいから。

私は、じっと奈津を見つめる。

「えっと……」

奈津は、何て言ったら良いのか分からないみたい。

だけど、私の手をつかむと、自分の胸元に私の手のひらを付ける。

「な、奈津?!」

い、一体なにを?!

「ほら、ドキドキしてるだろ?」

「え…」

奈津に言われて、私は手に伝わる鼓動を感じる。