妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「今の……?」

何だったんだろう?あの子…。

何処かで見覚えがあったようなぁ?

それに、一瞬だけ赤い鱗粉が見えた気がしたけど…?

「望美、どうしたの?」

隣では、咲楽が本を読みながら、私を心配した表情で見ていた。

「大丈夫!行こっか」

私たちは、沙弥佳たちを追いかけた。

真紅の蝶は、私の鞄の上に止まると、そのまま姿を消した。

電車に乗って、桔梗学園が見えてくると、私は緊張してきていた。

「うぅ、何か緊張してきた」

『何で望美が緊張するの?ただ歩くだけじゃん』

「いや、ちょっと部活のことを考えて」

中学の部活のことを考えると、高校で上手くやっていけるか自信がなかった。

『大丈夫だよ!だって望美には、このルルが付いてるんだから!』

ルルはそう言い、胸を張る。

それがちょっと頼もしく見えて、つい笑ってしまった。

『あー、もしかして信じてない?!』

「信じてるよ、これからも」

思ったことが口に出て、ちょっと自分でも驚いた。

『そ、そっか!』

ルルは、照れているのか、そのままアカツキたちの所へと戻った。

「大丈夫だよ望美、ルルだけじゃなくて、私たちも居るんだから!」

晶と沙弥佳が、私の手を握る。

それが温かくて、心地よかった。

「うん、ありがとう二人とも」