妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

『これは、奈津のライバル出現かなぁ?』

ルルは、その光景を楽しそうに見ていた。

「さぁ部長の恋話は置いておいて」

「杏鈴さん!そんなんじゃないです!!」

さっきから、一体何の話をしているのかな?

「まぁまぁ、とりあえず今日はベタでこの壺を描いてみよう」

杏鈴さんは、手に高そうな壺を持つ。

「割らないでくださいよ」

「大丈夫、これ私のだから」

「なら良いですけど…」

天翔先輩は、大きく溜め息をつく。

「望美ちゃんは、私の隣に座ってね」

「は、はい!」

そう言われ、若菜先輩の隣に座る。

その後他の先輩たちも来て、私たちは無言の世界へと入った。

私は、絵を描くことに集中した。

(楽しい…)

そう感じて、自然と笑顔になった。

ルルも私の隣で、壺のデッサンをしていた。

「莎々原ちゃん、そこはもっとこうやって―――」

杏鈴さんは、直で描いてアドバイスをくれた。

「ありがとうございます!」