妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「俺は…、あいつを大切にしたいんだよ」

これも、あの時に言った答えと同じ。

「それは、良い考えだと思う。けど、いつまでもそんな考え方だと、いつか望美は離れていくぞ」

俺は、何も言えず新をじっと見る。

「例えば、俺とかな」

「…」

新は、望美が好きなのか……?

「って言うのは冗談だが」

「じょ、冗談かよ!」

な、何だ…、びっくりした。

新は、何か面白そうに俺を見てくる。

「俺からのアドバイスは、もう少し素直になれだ」

「素直に?」

「あぁ、自分が思ったことをちゃんと言葉にして伝える。キスしたいとか思ったらすればいい」

「簡単に言うなよ」

「お前ならいけるさ」

新は、俺に手を差し出す。

「今のところ、有水は望美に何もしていない。俺がいる限り手は出せないさ」

「ならいいけど」

俺は少し安心する。

「なぁ、お前たち何で別々に暮らしてるんだ?」

「え……」

新は、言いづらそうに目を背ける。

「ちょ、ちょっとな」

「…言いたくないなら、別にいいよ」

前の望美の時と同じく、話してくれるまで待つさ。