妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奈津】

俺は、新と一緒に階段の下へと来ていた。

「おい、お前望美に何言った?」

「え?何のこと」

こいつ……。

俺が学食から戻って来たら、新が望美と話していて、聞こえてきたのが。

“俺は、望美しかいない”

俺は、慌てて新を連れ出した。

「とぼけんなよ…、ちゃんと聞こえてたんだからな」

「じゃぁ、照れることないだろ。本当のことなんだから」

「だ、だからそれが恥ずかしいんだろ!」

俺は、思わず大声を出してしまった。

「大きい声出すなよ…、お前ら付き合って何年経つんだよ?」

「二年だけど」

「二年?!」

新は、俺の肩を掴んで揺さぶってくる。

「お前馬鹿だろ!二年付き合ってんのに、今更恥ずかしいとなかないだろ!」

「は、離せ!」

め、目が回る!

「望美が可哀想だろ!」

「はぁ?」

「だって、ずっと待ってると思うぞ」

俺は、玲緒に似たようなことを言われたことを思い出す。