妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【有水】

「新のやつ……」

私は、女子トイレにこもって携帯をいじっていた。

「せっかくあいつを奈津くんから離れかす
作戦思いついたのに、新が傍に居るんじゃ何もできないじゃん!」

一応まだ奈津くんを諦めていない私は、サッカー部のマネージャーをやることにした。

でも……。

「奈津くん!はいタオ「おーい奈津!先輩が呼んでるぞ」」

「あの奈津くんこのあとひ「奈津、望美が待ってるぞ」」

「あのな「奈津!一緒に学食行こうぜ」」

「奈津くん今一人なの」

「え?」

「一人じゃない、俺がいる」

私は、トイレの扉を足で蹴る。

「本当にむかつく……!」

『有水……』

「一体何なの?パパも新の言いなりだし、私とはもう兄妹じゃないんだから、関わんなくていいのに……」

私は、唇を噛む。

『落ち着いて有水、絶対チャンスはくるよ』

「そうだと良いけどね」

私は、深く溜め息をついて女子トイレから出る。

それに、あのシンクって子…。

一体何者だったの?