妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

シンクは、手のひらに力を込めると、私の小指の爪に、蝶の紋章を刻んだ。

「蝶の紋章?」

『おまじないだよ。望美を助けてくれるからね』

シンクは、そういい笑顔を向ける。

「いいなぁ。シンク、私にも勉強力が上がるおまじないかけてよ!」

『ごめんなさい。これは、私のおまじないは、恋愛にしか効かないの』

「そ、そっかぁ」

晶は、がっかりして肩を落とす。

『安心しろ晶、お前の勉強力は俺が上げてやる』

アカツキは、参考書を読みながらそう言う。

「お、お手柔らかにお願いします…」

晶も大変だね……。

『沙弥佳は、何かないの?』

「え?」

カラに言われた沙弥佳は、考え込む。

「うーん、今は好きな人居ないから、特にないかな」

『そっか』

さっき教室から出ていった奈津と成瀬くんが帰ってきた。

「おかえり奈津」

「あ、あぁ。何の話してたんだ?」

『おまじないの話だよ』

「おまじないの話?」

成瀬くんと奈津は、首を傾げた。