妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「もしかして、奈津くん?」

「そう!じゃぁ行ってくるね!」

「いってらっしゃい」

私は、奈津と一緒に駅へと向かった。

そんな私たちの様子を、ある一羽の真紅の蝶が見ていた。

「あ、望美ー!」

「おはよう!」

駅には、晶・沙弥佳・佳絵羅お姉ちゃん・史絵・咲楽・玲緒くん・翔くんたちがいた。

それに、妖精のアカツキ・カラ・リン・コウヤ・クレオたちもいた。

『おっはよう!』

『朝からうるさいな、お前は』

『アカツキだって、朝から教科書読んでるじゃん』

『晶の今夜の授業の予習だ』

『へ〜』

ルルは、首をかしげる。

「ほらほら、電車来ちゃうよ!」

史絵は、翔くんの腕に掴まりながら、駅へと指をさす。

「それじゃぁ、行こっか」

「はい。そうですね」

私たちは、駅の中へと入った。

「そうだ史絵、ちょっと男同士の話したいから、ちょっと咲楽たちの所に行っててもらっていいかな?」

「うん!いいよ!」

奈津たち三人は、後ろの方で何かを話していた。

「何だろう?」

「さぁ、ところで桔梗学園の情報聞きたいですか?」

沙弥佳は、メモを手に持って目を光らせた。

「聞きたい!」

晶が手をあげる。

「分かりました。まず桔梗学園のクラスは九クラスあって―――」

私は、沙弥佳の話を聞きながら歩いている時、一人の男の子とぶつかった。

「す、すみません!」

その時一瞬、赤い鱗粉が見えた気がした。

「こっちこそ、すみません」

男の子は、素っ気なく言い放って行ってしまった。