妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「奈津が、そんなこと言ってたんだ…」

私の胸が高鳴ってほ、頬が熱くなる。

「おい…、成瀬……」

いつの間にか食堂から帰ってきていた奈津が、成瀬くんを睨みつけていた。

「や、やぁ奈津」

「ちょっとこれから付き合ってもらおうか!」

奈津は、成瀬くんの腕を強く掴む。

「いたたた!」

二人は、そのまま教室から出ていった。

「何の用だったんだろうね?」

「分かんない」

晶は、そういい玉子焼きを口の中へと運んだ。

成瀬くんも、正式にサッカー部に入部した。

このクラスでは、奈津と成瀬くんは仲が良いみたい。

サッカーとかの話で盛り上がってることもあるしね。

「そうだ望美、そういえば明日だったよね?」

「なにが?」

「「二人の遊園地デート!」」

「なっ!」

「もう、隠さなくていいんだから」

晶が私の頬をつつく。

「な、何で知ってるの?!」

「私の情報収集力舐めないでください」

沙弥佳がドヤ顔で私を見下ろす。

そうだ…、沙弥佳が居たんだった。

「まぁ久々のデートだし、望美の誕生日でもあるから、奈津もそれなりに何か用意してるかもよ?」

私は、そこで奈津の言葉を思い出す。

“俺の気持ち伝えるから、聞いてくれないか?”