【奈津】

「あー…、もう!」

望美と通話を終えた俺は、そのままベッドへと背中から倒れる。

『どうしたんだ?』

ハヤテは、空中でリフティングしていた。

「いや、何でもない」

腕で目を隠す。

(望美…、やっぱり不安そうだったな…)

電話して良かったか。

でも……。

「俺、今死んでもいいかも」

『な、何言ってるんだ…』

だって、可愛すぎるだろ!

望美が『大好き』と言った時の顔が、頭の中に浮かぶ。

「まじで、あれは殺し文句だわ…」

『何言われたか、想像つくわ…』

ハヤテは、部屋にあるサッカーボールの上に乗る。

『今度の日曜日に言うんだろ?お前の気持ちと覚悟』

「そのつもりなんだけど…」

なんか、それを考えるだけで恥ずかしくなってきた…。

『言わないとは、言わせないぞ』

「分かってるよ」

『だって、お前と望美が結婚したら、俺とルルはずっと一緒に居られるしな』

「お前の狙いは、それだろ!」

さすが俺の妖精だよな、俺と同じくルルが大好きなハヤテ。