奈津は、少し言いづらそうに言った。

『もしあいつが、お前を傷つけるようなことをしたら、かならず俺に言え!絶対駆けつけるから!』

「奈津…」

その言葉がどれだけ心強かったか。

私は、思わず泣きそうになる。

奈津のおかげで、私の中にあった恐怖は何処かへと消えてしまっていた。

「ありがとう奈津…、大好き…」

私の口から、素直にそう言えた。

『え…』

「あっ!」

私は、慌てて言う。

「な、何でもない!今のは、気にしないで!」

は、恥ずかしい…!

私は、赤くなっている自分の頬に手を当てる。

『恥ずかしくなんかないよ』

「奈津?」

『俺は、あんまりこう言うこと、恥ずかしくてなかなか言えないんだけど……』

奈津も照れているみたいだった。

『俺も、望美のことが好きだ!』

「奈津…」

電話ごしでの会話だけど、すぐ傍に奈津を感じられた。