妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

私がそう言うと、奈津は顔を真っ赤にする。

「可愛いのは、お前だよ」

「なに?」

奈津が小さく何かを言ったように聞こえたけど。

「何でもない」

奈津は、私の手を掴む。

「帰るか」

「うん」

『おーい、二人の世界に入るのは良いけどさ、こいつ誰?』

ハヤテは、ルルの隣にいるシンクに指を指す。

『私は、シンク!』

シンクは、その場でぐるっと回った。

「シンク?」

「真紅の妖精なんだって、でも主が誰だったのか覚えていないらしくて」

「え、そうなのか?!」

やっぱり驚くよね。

私も主を覚えていない妖精なんて、初めて会ったし。

「ねぇシンク、本当に覚えていないの?」

『うーん』

シンクは、自分の髪をクルクルと指先で遊ばせながら考えた。

しかし……。

『わかんない!』

「おいおい…!」