妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「貴方……、何者なの?」

『私?』

「私の妖精なの?」

シンクは、考えてから首をふる。

『うーん、多分違うよ』

「多分?」

『私ね、主が誰だったのか覚えてないんだ』

『……えええ!!』

「それってつまり……」

迷子の妖精?!

「望美!」

奈津が私の姿を見つけて、駆け寄ってくる。

「姿が見えないから心配したぞ。何かあったのか?」

『聞いてよ奈津!今ね、有水って子に階段から突き飛ばされたの!』

「え!」

奈津は、私の肩を強く抱く。

「な、奈津?」

「大丈夫か?痛いところないか?頭の痛みは?どこか骨折れてるか?怪我は?あざは?めまいとかしないか」

「け、怪我とは大丈夫…。ちょっとめまいしただけ」

「望美……」

奈津は、強く私を抱きしめる。

「ごめん。俺のせいだよな…」

「なんで奈津が謝るの?」

奈津は、何かを言いづらそうにしていた。

だけど、私はそれを聞かず奈津の背中をさすった。

「大丈夫だよ。奈津」

なんだか、今の奈津子供みたい。

「なんか、俺が慰められてる感じがする」

「今の奈津、ちょっと子供みたいで可愛かった」