妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

その時―――

『さっきから、聞いていたけど。貴方酷いことするのね…』

私の体から、赤い光の粒が浮上する。

『な、なに……?』

「新しい妖精?」

赤い光の粒は、一匹の蝶へと変わる。

『この感じ…、さっき感じた光』

「なんで、妖精が生まれるの?てか、妖精?」

蝶は、一人の妖精へと姿を変えた。

『ふぅ……』

赤い髪がなびき、赤を基調とした服装。

瞳の色は、七色だった。

『なんで、妖精が二人もいるの?妖精は、人には一人しか居ないはずなのに…』

『そんなことないよ』

「え?!」

私は、この子に見覚えがあった。

(確か…、夢の中で)

『私は、真紅の妖精のシンク。一人ぼっちの妖精だよ』

「真紅の妖精…?」

『一人ぼっちの妖精?なにそれ?』

『その前に、貴方!』

シンクは、有水に近寄る。

『人を階段から落とすなんて、なんて危ないことするの?!』

「出てくるなりお説教?!」

『ルルを離して』

「は、はい……」

有水は、素直にルルを離す。

『望美!大丈夫?!』

「うん……」

頭が痛いけど、意識は飛ばずにすんだ。

『見せて』