妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「今日は、ありがとうございました」

「また来てね」

私は、美術部を後にして、校門へと向かった。

「奈津たち、終ったかな?」

窓の外を見てみると、奈津たちはまだサッカーをしていた。

「見に行こっと」

階段を降りようとした時、踊り場に誰かが居るのに気づいた。

「誰だろ?」

『あの子!』

よく見ると、さっき奈津に告白してきた有水が、窓の外を見ていた。

「有水さん?」

名前を呼ばれた有水は、ハッとして振り返った。

「びっくりした。あなたか…」

「ごめんなさい。驚かせるつもりはなくて」

「べつに良いですよ」

有水は、そう言い再び窓の外を見る。

「ねぇ、貴方はどうやって奈津くんを落としたの?」

「え?」

今何聞かれた?

落としたってどういうこと?

「だから!どうやって惚れさせたのよ!」

「そ、そんなこと聞かれても……」

そんなこと、落としたとか聞かれても答えられないよ。

(あれ…?奈津は、いつ私を好きになったんだっけ?)

確か…、私の笑顔に惹かれて。

私も奈津の笑顔が大好きで。