これは行くしかないと思って、この学園を選んだんだ。

それと、あともう一つ。

「そういえば、奈津くんも同じ桔梗学園だっけ?」

「う、うん」

私は、少し頬を染めて紅茶を飲んだ。

そう、もう一つの理由は、奈津が桔梗学園に行くって言っていたから。

桔梗学園のサッカー部が凄く有名らしくて、奈津は学園から声が掛かって、行くことを決めたらしい。

『最初受かるか分かんなくて、凄く困ったよね』

ルルは、隣で呑気に金平糖を口に運んでいた。

「いいの、受かったんだから!」

「でも、ギリギリだったわね」

「そ、そうだけど……」

あの勉強の日々は、思い出すだけで辛くなる。

自分よ、よく耐えた。

「晶ちゃんたちもそうなのよね?」

「うん、晶や沙弥佳や他の子たちもみんな一緒」

「良かったね」

奈々美さんは、笑顔でそう言った。