『できた!見て見て望美!』

ルルは、完成した絵を私に見せてくれた。

「凄い綺麗だよルル」

桜と川のグラデーションが綺麗だった。

「私もできた」

「お、どれどれ?」

様子を見に来た杏鈴さんが、私の絵を覗き込む。

「これは凄いね!誰を描いたの?」

私は、絵の中にいる人物を見て微笑む。

「大好きな人です」

私が描いたの人物は、奈津だった。

直ぐに奈津がサッカーをやっている姿が浮かんで、書描きたくなった。

「これなら、直ぐにいろんな事が出来るようになるよ」

「本当ですか!」

嬉しかった。

やっぱり、人に絵を褒めてもらえるのは、すごく嬉しい。

「これは、なかなかの逸材がきたね」

「そうだね。それに、あの子不思議な感じがするんだ」

「不思議な感じ?」

「初めて会ったんだけど、なんか心がポカポカして元気になった」

「あんた、それ恋じゃないの?」

「ま、まさか!」

私たちの後ろの方で、天翔先輩と若菜先輩がそんなやり取りをしていた。