二年生しかいない?

「ほら、美術部ってあまり目立たないじゃん?それで、三年の先輩たちの代には、美術部居ないんだ」

「そ、そうなんですか?!」

だって、有名な画家が教えてくれるのに?!

「でも、僕たちの代が多くて、なんとか廃部にならずに済んでるんだ。だから、君みたいな女の子が入ってくれるのが嬉しいよ」

「わ、私絶対入ります!!」

廃部になんてしたくない!

「ありがとう。あ、一応この部活僕が部長をやっているんだ」

「そうなんですか?」

「うん、副部長は今いないけど、後から来ると思う」

私は、先輩に案内され、用意された椅子に座る。

私は、絵を描き続ける先輩たちを観察した。

(どの先輩もみんな凄い…、絵の具の使い方とか独特だし)

すると、私に気づいた先生が、私のところへ来る。

「こんにちは、もしかして入部希望者かな?」

「は、はい!」

「莎々原望美さんだよ。杏鈴(ありん)さん」

杏鈴さんと呼ばれた人は、私に紙と鉛筆を貸してくれた。

「あの?」

「私は、御子柴杏鈴(みこしばありん)。この美術部の講師をしているよ」

「み、御子柴杏鈴?!」

名前は聞いたことあった、雑誌とかでも見かけたことあったし。

「莎々原ちゃんだっけ?何か描いてみなよ」

「良いんですか?」

「もちろん!」

私は、少しだけ緊張した。

「深く考えなくていいよ、自分の好きなものを描けばいいから」

「は、はい!」