「親父、もう有水の言うことは聞かないでくれよ」

「なっ!」

「分かったよ」

「パパ?!」

水無月は、父と新の顔を交互に見る。

「すまないね、有水。これは、お前の為でもあるんだ」

「私の為……?」

新は、俺に向き直る。

「妹が迷惑かけてすまない」

「いや、別にいいけど」

俺は、水無月に目を向ける。

「お前と水無月は、兄妹なのか?」

「あぁ、訳あって今別々で暮らしてるけどな」

そう言い、新は水無月に向き直る。

「さぁ、行くぞ」

「触らないで!」

水無月は、新の手を振り払う。

「何で私の邪魔ばかりするの?!」

「さっき言ってただろ、お前のためだって」

「新に私のこと決める権利ないじゃん!!私の為とか言って、私のことなんて、どうでもいいくせに!!」

水無月は、学校の中へと走っていってしまった。

「有水!」

『有水!待って!!』

水無月の後をフレイアも追いかけていった。

「さぁ、練習するか」

「でも、いいの?」

玲緒と翔は、俺を見る。

「いいよ別に、あんな奴…。俺は、望美以外考えられないから……。それに、あいつはサッカーを餌に俺を釣ろうとしたんだ」

「望美……?」

新は、疑問そうに俺を見る。