妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奈津】

「よし!奈津くん!」

ボールを蹴る翔は、俺にパスを出す。

「ナイスパス!」

俺は、それを受け取りゴールに向かう。

「一年生相手に、ゴールを決めさせるかよ」

先輩は、ゴールの前で構える。

「俺は、ゴールなんてしない!」

俺は、玲緒にボールをパスする。

「まったく、本当に奈津のパスは計算しないと取れないな…」

ボールを受け取った玲緒は、走り出す。

「速度とボールを蹴る角度の計算。風向き西…、先輩のいる角度は―――」

と、ぶつぶつと計算を始める。

「相変わらず、計算でプレイするよな」

「そうだね」

計算し終わった玲緒は、ゴールに向かってボールを蹴る。

「なっ!」

ボールは、勢いよく曲がり、ゴールへと入った。

「よし!」

「やったー!流石玲緒くん!!」

玲緒の特技は、ボールの速度や角度を計算して、確実にゴールにボールを入れること。

俺と違って、計算でサッカーをやるタイプだ。

「さて、俺のかっこいい姿を、咲楽は見てくれたかな?」

見学している野々原に目を見向ける玲緒だが、野々原はさっきからずっと本を読んでいる。

「あれ?」

玲緒のかけている眼鏡がずれる。

「はははは玲緒くん面白い!そして、咲楽ちゃん、相変わらずだね」

翔は、腹を抱えて笑い出す。

「おい、あまり笑うと玲緒にしばかれるぞ」