『はぁ……。俺はフレイ、双子の妖精だ』

「双子の妖精?」

『てことは、双子で生まれたの?』

「そう、だけど片割れはここには居ない」

『そうなんだ…』

妖精が双子で生まれることってあるんだね。

ここでまた妖精のことについて知ったと思う。

『私はルル、友情の妖精だよ』

『友情の妖精…』

フレイは、ルルをじっと見てくる。

『な、なに?』

『いや、お前から力を感じる』

「な、何言ってるの?」

「気にしないで、フレイ曰く、自分は神様でもあるから、力を感じることがあるんだって」

か、神様?

私はそこで、ヴィーナスの顔が浮かんだ。

「あ、いっけね!俺部活に行かなくちゃ!」

「え?」

「サッカー部の見学に行くんだ!またな望美!」

成瀬くんは、慌てて駆けて行ってしまった。

『変な奴だったね』

「そうだね…」

『私たちも、早く行こっか』

「うん」

私は、成瀬くんの後ろをじっと見ていた。

(不思議な人だったなぁ…)