妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【望美】

「新入生が入場します!みなさん、拍手で迎えてください!」

先生の合図と共に、体育館の扉は開かれる。

そして、私たちは体育館へと入場する。

「な、何か入学式に見えない…」

辺りには風船が飛んでいたり、先輩たちははしゃいでいるし。

「あ、恭也先輩見つけた」

奈津の見る方向に、恭也先輩が手を振っていた。

「奈津、目いいね」

「え、そうかな?」

私たちは、それぞれの席に着く。

その後はいつも通りで、校長先生のお話や、偉い方からのお話。

『ふわぁ……、眠い…』

ルルは、眠そうに目をさする。

「もう、ルルったら」

ルルは、私の膝の上に座ると、そのまま寝に入ってしまった。

『まったく、マイペースだな』

「そうだな」

私たちは、ルルを見て苦笑した。

入学式が終わったあと、私たちはそれぞれの部活見学に行くことにした。

「じゃぁ奈津、また後で」

「あぁ、先に終わったら迎えに行くよ」

「うん!」

私と奈津は、教室の前で別れた。

「えっと、美術室はっと…」

すぐ近くの角を曲がった時、誰かとぶつかってしまった。

「いたっ!」

「っ…すまない」

声は男の人だった。

「ご、ごめんなさい。こちらこそ」

男の人は、私に手を差し出してくれた。