「な、何言ってんだよ田星!」

「だってさっき、“俺その子以外しか考えられないから”とか言ってたじゃん!」

「何で覚えてんだよ!」

『ばっちり覚えてます!』

「何メモってんだ!」

三人のやり取りを見て、私は笑顔になった。

でも、少しだけ私の中で有水の存在は気になっていた。

「おーい、体育館に行くぞ」

教室の廊下から、玲緒くんたちが顔を覗かせていた。

「行こっか」

「そうだね」

私たちは、体育館へと向かった。