まずは、ルルに内容や仕事のことを話しているようだけど、本人は話が難しいと言っていた。

(そういう事は、カラに任せた方がいいんじゃないのか?)

ふとそんなことを思った。

俺は、望美の手を握った。

「望美、今日さ―――」

俺は、今日のことを望美に話し始めた。

でも、いろんな話をしても、望美には伝わっていない。

ただ、俺が一方的に語るだけ。

俺は、途中で言葉を詰まらせた。

『奈津?』

「俺さ、今日駄目駄目だったんだよ…。全然サッカーに集中できなくてさ、みんなに迷惑かけちゃうし」

「……」

「俺…、やっぱり望美が傍に居てくれなくちゃ駄目だ」

俺って意外と泣き虫だよな…。

望美の手を握っている上に、一粒の涙が落ちる。

「望美は、いつも俺に元気にくれていたんだ。望美の笑顔が俺に元気をくれた」

『奈津…』

「もう一度…、俺に笑顔を見せてくれよ…望美!」

神でも誰でもよかった。

望美を救ってくれるなら、神でも悪魔にでもすがってやる。

それで、望美が目を覚ますなら。