妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

突然の出来事に、田星たちはぽかんとしていた。

田星達がヴィーナスと会ったのは、これが初めてだったしな。

でも、オルドっていう奴とアカツキは面識があったようだったけど、やっぱり知り合いだったのか?

「な、何だか急すぎて思考がついていかないんだけど」

『安心しろ。それはもとからだろ』

「酷いよアカツキ!」

「大丈夫ですよ晶、ちゃんとメモってあるから」

「流石沙弥佳!」

田星は、夏村に抱きつく。

「…じゃあ、今度こそ私たち帰るね」

「あぁ」

「望美の意識が戻ったら、直ぐに連絡下さい」

田星達は、病室から出ていった。

俺は、椅子にドカッと座り額に手を当てた。

『ハヤテ、大丈夫?』

ルルが俺を心配して傍に来てくれた。

「なんとかな…」

俺は、苦笑しながら答えた。

ホントは、余裕なんて無い。

望美がこんなことになって、俺は自分自身に苛立った。

なんで直ぐに自分の気持ちを伝えなかった!

機会はいくらでもあったのに…。

俺は、拳に力を込めた。

『望美…』

ルルも望美のことが心配なんだろう。

俺は、望美の頬に手を当てる、

望美のおでこには包帯が巻かれていて、頬には小さなガーゼがいくつかはってある。

「俺が…、代われたらいいのに…」

無意識のうちにそう呟いた。

『そんなこと言わないでよ!』

ルルが俺の頬をぺちんと叩く。

体が小さいせいか、そんなに痛くなかった。

『奈津が望美みたいになったら、悲しむのは望美じゃん!』

「……」

ルルの言う通りだ。

もし俺がこんなことになったら、望美だって傷つく。

今の俺以上に悲しんで、泣いて自分を責めるんだろう。

そんなこと、望美にさせたくない。