「何か…、方法はないの?!」

夏村は、必死にメモ帳をめくっていた。

でも、いくらメモ帳をめくってもそんな方法は載っていない。

ルルの体が薄くなり始める。

『ルルっ!』

ハヤテの頬に涙がつたった。

『これは、一体どういう状況なんだ』

俺達は、声のする方へと一斉に振り返った。

そこに居たのは…。

「ヴ、ヴィーナス!」

「ヴィーナス…?」

田星が首を傾げる。

『ヴィーナスって…』

アカツキがじっとヴィーナスを見る。

アカツキは、ヴィーナスのことを知っているようだ。

「カラ、ヴィーナスってだれなの?」

『ヴィーナスは…、私達の生みの親だよ』

「えええ!」

ヴィーナスは、田星達の横を通り過ぎて、ルルとハヤテの前に立つ。

『また、消えかけているのか…』

俺は、ヴィーナスに言う。

「頼むヴィーナス!前みたいに、ルルを助けてくれ!」

俺は、ヴィーナスに頭を下げる。

「わ、私からもお願いします!」

「わ、私も!」

田星と夏村も頭を下げる。

『大体状況は分かった…』

ヴィーナスは、ルルに触れる。

『すまないルル。またお前を同じ目に合わせてしまったようだ…』

(また、同じ目に?)

どういうことだ?

俺は、頭をあげヴィーナスを見る。