妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

「ルルの様子はどうだ?」

『さっきよりは落ち着いた。だが、消えそうなことには変わりない』

フレイが言うなら間違いないんだろう…。

ルルと同じ特別な妖精だしな。

ハヤテは、ルルを心配して傍にいる。

「奈津、俺たちも帰るよ」

「そうか、水無月の様子はどうだ?」

水無月は、泣き疲れたのか眠っていた。

「どうかな…、正直こいつを今一人にはしたくない」

新は、水無月をおんぶする。

『フレイア、行くぞ』

『わ、分かった』

フレイアもフレイの後に続く。

「ありがとな、新」

「お前も…、頑張れよ」

新は、そう言い病室から出て行った。

「じゃあ、私達も…」

田星達も病室から出て行こうとしたとき――

『うぅ!!』

『ルル!』

俺達は、ルルに目を向ける。

ルルが、また苦しみ始めた。

『ルル!しっかりしろ!』

ハヤテがルルを抱きしめる。

アカツキやカラも、心配そうにルル見る。

ルルは、息が荒くなり始めて苦しそうだった。

「ルルの体が!」

夏村がルルに指をさした時、ルルの手が消え始めていた。

『そんな…、またなのかよ!』

「ハヤテ…」

『また、お前は消えるのかよ!!』

ルルが消えるってことは、望美の意識は戻らないと言うことだった。