(死なないでくれ)

俺は、まだお前に伝えたいことが――

俺は、全力で走って病院に向かった。

病院についたのは、それから約一時間後くらいだった。

俺は、田星達が居るところに向かう。

「田星!望美は――」

目の前を見た時、そこには集中治療室と書かれていた。

「集中治療室……。そんなに、酷いのか…」

田星は、涙を拭って言う。

「頭を強く打ってるみたいなの…、それで…、出血が酷くて…」

俺は、その場に膝をついた。

『ルルは?!』

ハヤテは、ルルの姿を探した。

ルルは、アカツキに抱えられていた。

『ルル!!』

ハヤテは、慌ててルルの傍に行く。

『ルル、どうした?!』

『急に息が荒くなったんだ』

『まさか…』

俺は気づいた。

それは、望美が影響しているんじゃないかって。

それはつまり…。

(望美が…、死ぬかもしれないのか…)

そんな…。

「奈津!」

後ろの方で新達が走ってきた。

「新…」

「一体どうしたんだ?!」

新は、椅子に座って泣いている水無月を見つけて傍に駆け寄る。

「有水…」

「あ、新…」

水無月は、新に抱きついて声を上げて泣き始めた。

その後、玲緒や柳原達も駆けつけた。

そして、集中治療室から看護師が出てきた。

「すみません、どなたか輸血出来る方いませんか?!」

「何型ですか?」

「AB型のRH-です」

みんなは顔を見合わせた。