妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奈津】

「望美遅いなぁ…」

さっき先生から望美が外出届けを出したことを聞いた。

いっしょに帰ろうと思って待っているんだけど。

「電話も通じない」

何かあったのか?

(胸騒ぎがする)

『救急車の音がするな』

「そうだな」

近くで事故でもあったのか?

もう一度望美の携帯に電話をかけようとした時、画面に『田星』と出た。

「もしもし?」

『あっ!小早川!!』

いきなり大声で呼ばれ携帯を離す。

「そんなに大きな声出すなよ」

でも、よく聞くと田星は泣いているように見えた。

「ど、どうした?」

『望美が!!』

「――!」

俺の心臓が大きく跳ねた。

嫌な予感がしたんだ。

『望美が!事故にあったの!』

「なっ!」

『奈津?』

俺は、思わず走り出す。

「お、おい奈津?!」

俺のあとを慌ててハヤテが追いかけてくる。

「どういう事だよ!望美が事故にあったって?!」

『詳しくは分からない。その場に水無月さんがいて』

「水無月が?!」

ますます分からなくなった。

水無月とは、あれ以来話していなかったし。

「どこの病院だ!」

『菖蒲病院よ!』

分かった!今すぐに向かう!

俺は、通話を切ってポケットに携帯をしまう。

『奈津!望美が事故にあったのか?!』

「そうみたいだ!」

菖蒲病院っていうと、ここから近い病院か。

でも、走っていくとなると時間が――!

「望美!」

望美の笑顔が俺の中で浮かぶ。