「一体何があったの?」

『あ、晶に沙弥佳?!』

人混みの中から、二人は姿を現した。

『ルル?!一体なにが…』

目の前の光景に、二人は目を見開く。

「ねぇ…、そこに倒れてるのって…」

「まさか…」

二人は、望美に駆け寄る。

「の、望美!!」

『何があったんだ…』

晶の隣にいる妖精は…、アカツキか。

アカツキは、電柱に突っ込んでいたトラックに目をやる。

『トラックにぶつかったの?!』

「私を…、庇って…」

有水は、顔を覆って泣き始めた。

「早く病院に行かなくちゃ!このままじゃ望美が!」

「応急処置はした。後は、救急車が来るのを待つんだ」

「あ、あんた誰?」

そうか、この二人とは会っていなかったな。

「奇跡だ」

「奇跡?」

そこでタイミングよく救急車がきた。

望美は、ストレッチャーに乗せられ、酸素マスクを付けられた。

「望美の友達です!付き添います」

「私も!!」

晶達は救急車に乗り込む。

「詳しく話を聞かせて、水無月さん」

沙弥佳に呼ばれた有水も、フレイアと一緒に乗り込む。

「君は?」

「俺は、後から行く」

「分かった!」

救急車は、走り出した。

俺は、トラックの方に向かう。

「やはり…」

トラックには、誰も乗っていない。

(やっぱり、あいつがこれを…!)

俺の拳に力が入る。