「そんな嘘、俺が信じるわけないだろ!」

でも、なんだこの嫌な予感は…。

『とにかく、望美を探そうよ!』

「分かってる!」

シンクとリンクして、俺は家の屋根の上に立つ。

「どこだ!」

『学園にはいないの?』

「分からない…。シンク、ルルの気配をさぐれ、望美は必ずルルといるはずだ」

『分かった』

俺は、目を閉じる。

『…見つけた!』

「公園か?」

俺の頭の中に公園の風景が映し出される。

「一緒にいるのは、有水か?」

何故有水と一緒にいるんだ?

(これは…まずい…)

俺は、急いで望美の元に向かった。

(お願いだ…、間に合ってくれ!)

だけど、俺の願いは届かなかった。

俺の目の前で、望美は有水を庇った。

それが母さんと重なって…。

「母さん!!」

思わずそう叫んでしまった。

そして、今に至るんだ。

俺は、直ぐに望美の元に駆け寄る。