妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

二人がそんな話しをしているとは知らず、私たちは、互いにドキドキしていた。

「あ、あの!」

「ん?」

その時、一人の女の子が奈津に話しかけた。

私は、驚いてその子を見る。

(小さくて可愛い…)

目はぱっちりの二重で、身長は私よりも低い。

まるでお人形さんみたいな子だった。

「俺になにかよう?」

奈津は、ちょっと冷たくそう言う。

(やっぱり、奈津って女の子に対して冷たいよね…)

私は、女の子と奈津の会話を聞く。

「き、急にごめんなさい!私…水無月有水(みなづきありす)って言います!あの、初めてあってこんなこと言うのもなんですが…」

有水と言う女の子は、勇気を出して奈津に言った。

「あの!貴方を初めて見て、好きになりました!私を彼女にしてください!!」

私は、自分の体が固まるのが分かった。

目の前で自分の彼氏が告白されたのだから。

周りの子たちも、奈津と有水に目を向ける。

でも、一番驚いたのは奈津自身だと思う。

「え、望美大丈夫?」

知らないうちに、晶と沙弥佳が私の後ろにいた。

『凄い!生告白だぁ!』

ルルは、興味深々で様子を伺っている。

『そんなこと言ってる場合じゃないだろ』

ハヤテは、奈津に耳打ちする。

『どうすんだよ奈津』

「え……」

『返事だよ!返事!』

奈津は、我に返ったのか、有水に言う。